吐き気(悪心)
吐き気(悪心)とは

「胃の内容物を吐き出しそうな不快感」を指し、実際に吐く嘔吐とは区別されます。軽い体調不良から命に関わる疾患まで背景は幅広く、見極めが重要です。
主な原因と特徴
■消化管のトラブル
急性胃腸炎や食中毒、胃潰瘍・胆石などが代表的です。発熱や下痢、腹痛を伴うことが多く、ウイルスや細菌による感染が原因の場合は周囲へうつる可能性もあります。
■脳・神経の異常
片頭痛発作では拍動性頭痛に加え、光や音への過敏、吐き気が出現します。くも膜下出血や脳出血でも突然の激しい頭痛とともに吐き気が出るため、早急な受診が必要です。
■心臓・血管の病気
心筋梗塞では「胸の圧迫感+吐き気・冷汗」が初期サインになることがあります。胸部不快感を伴う吐き気は救急要件です。
■内分泌・代謝の異常
低血糖や副腎不全、腎機能障害でも悪心を来します。基礎疾患のある方は症状変化に注意しましょう。
■妊娠関連
いわゆる「つわり」は妊娠5〜12週頃に多く、空腹時や特定のにおいで悪化します。吐物すら摂れず体重減少や脱水を来す重症例(妊娠悪阻)は点滴や入院管理が必要です。
■薬剤や治療の副作用
抗がん剤や一部の鎮痛薬、抗菌薬などは副作用として吐き気を起こしやすく、服薬歴の確認が大切です。
■その他の原因
乗り物酔い、ストレス・過労、過度の飲酒や食べ過ぎ、におい刺激、極度の不安・緊張など、生活習慣や環境要因によっても吐き気は誘発されます。多くは一過性ですが、長引く場合は医療機関へご相談ください。
こんな症状は迷わず受診
- 24時間以上続く、または繰り返し嘔吐する
- 激しい腹痛・下血・吐血を伴う
- 39 ℃以上の発熱、意識もうろう、けいれん
- 胸痛や冷汗を伴う
- 尿量の著しい減少やひどい口渇(脱水兆候)
- 妊娠中で水分すら取れない・体重が急に減った
ゆみのクリニック渋谷桜丘で行う検査

問診と診察で全身状態を把握したうえで、血液・尿検査、腹部超音波、上部消化管内視鏡(胃カメラ)、X線/CT、心電図などを組み合わせて原因を絞り込みます。状況に応じて連携医療機関での高度画像検査も手配します。
妊娠中の方はまずはかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
ご自宅でできるセルフケア

・少量ずつの水分補給(経口補水液や薄めたスポーツドリンク)
・脂質を控えた消化の良い食事を少量ずつ分けて摂る
・十分な睡眠と安静で自律神経を整える
・深呼吸や軽いストレッチでリラックス
・乗り物酔いは視線を固定し、必要なら酔い止めを事前服用
セルフケアでも改善しない・悪化する場合は早めに医療機関へ。
まとめ
吐き気は誰にでも起こりうる一方、消化器・脳・心臓など多彩な疾患の初期症状となることがあります。「いつもと違う」「長引く」「強い痛みや発熱を伴う」と感じたら、自己判断せず早めの受診が安心です。
ゆみのクリニック渋谷桜丘 では、内科・消化器内科医が原因検索から治療、生活指導まで対応しております。オンライン予約も可能ですので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。