大腸がん
疾患概要
大腸(結腸・直腸・肛門)の表面に発生するがんのことです。
がんは日本人の死因において最も多いのですが、厚生労働省の調査によると、部位別の死亡数でみると大腸がんは男性2位、女性はなんと1位となります。
大腸がんは、胃がんと並んで早期発見できれば治癒を目指せる確率が高いがんです。そのためには内視鏡検査などによる定期的な検診受診が不可欠ですが、女性は特に内視鏡検査への苦手意識を持つ方が多いうえ、検査を受けた時につらい思いをされると、その後何年も受診を避ける傾向があります。他にも、喉に胃カメラを入れた時の嘔吐反射(えずき)の苦しさや、医師におしりを見せなければならない恥ずかしさなどの様々な要因から、内視鏡検査を敬遠する方は多くいらっしゃいます。女性の大腸がん死亡数が多いのは、こうした理由もあると考えられています。
原因
消化器系のがんですので、食生活の乱れが大きく関与します。野菜や果物の摂取不足、過度の飲酒、肥満などが挙げられます。運動不足やストレスなども引き金となります。
また、家族に大腸がんの罹患歴がある方がいらっしゃる場合は、そうでない方と比べて罹患率が高くなる傾向にあります。潰瘍性大腸炎を持病に抱えている方も、大腸がん発症リスクが高くなります。
症状
早期の大腸がんは自覚症状がほとんどありませんが、進行すると以下の症状が現れます。
- 腹痛
- おしりの痛み
- 下痢と便秘を繰り返す
- 残便感がある
- 便に血が混じる
- 細い便が出る
- 痔がよくできる
- 肛門から出血する
- お腹にしこりができる
- 体重が急激に減る
- 吐き気
- 貧血
診断と治療
診断においては便潜血検査(検便)と下部(大腸)内視鏡検査、触診、血液検査、レントゲン検査、CT検査などが行います。
内視鏡検査では、早期であればがん組織の切除も可能です。内視鏡検査では対応しきれない場合、外科手術や薬物治療、放射線治療、緩和ケアなどを行います。
国の指針では、40歳以上になると1年に1度、大腸がん検診の受診が推奨されています。検診をきっかけに早期の大腸がんを見つけられることも多くありますので、毎年欠かさず受けましょう。検診は、当院でも行うことができます。苦痛を極力避けるための内視鏡検査の方法が確立されておりますので、ぜひお気軽にご受診ください。