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「ワクチンは未来への投資」 ――身を守るために、今できること

ワクチン接種は、単なる感染症対策にとどまらず、私たちの健康を将来にわたって支える「未来への投資」です。
インフルエンザや新型コロナウイルスはもちろんのこと、風疹、B型肝炎、帯状疱疹、HPVなど、予防できる病気は年々広がっています。特に渋谷のように若年層から中高年まで多世代が行き交い、流動性の高い都市では、感染症の拡大を防ぐためにワクチンの役割はますます重要になっています。ワクチンの有効性について疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
しかしながら、多くの疾患に対して発症予防や重症化予防の効果があることが、国内外の多数の臨床試験や大規模コホート研究で証明されています。世界保健機関(WHO)も、ワクチンが年間数百万人の命を救っていると報告しています。

若い方の中には「自分は健康だから大丈夫」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自覚症状がないまま他者へ感染させてしまう可能性があるため、ワクチンは自分のためだけでなく、家族や友人、地域社会を守るための行動でもあります。一方で、中高年世代においては、帯状疱疹や肺炎球菌などのワクチンが、重症化や後遺症を防ぐ大切な手段になります。

また近年では、ワクチン接種が循環器疾患の予防につながることもわかってきました。特にインフルエンザに感染すると、心筋梗塞や心不全の発症リスクが高まることが知られており、インフルエンザワクチンの接種がこれらの予防に有効であるという報告が増えています(Cardiology in review. 2024)。これは循環器疾患の管理において、薬だけでなく予防接種も大きな意味を持つことを示しています。

ワクチンは感染症から身を守るだけでなく、慢性疾患や重篤な合併症の予防にもつながります。定期的に自身のワクチン履歴を見直し、必要なワクチンを確認することが健康管理、予防行動の第一歩です。ワクチン接種という小さな一歩が、未来の大きな安心につながります。

 

監修
ゆみのクリニック渋谷桜丘
総合内科専門医/循環器専門医 土肥智貴

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