• 内視鏡検査

大腸カメラ検査ってつらいの?

大腸カメラ(大腸内視鏡)検査を受けたことがない方にとっては、痛そう、下剤を飲むのが辛そう、恥ずかしい、など不安なイメージが強いかもしれません。

今回は、大腸カメラ検査に関するみなさんの疑問に少しでもお答えできればと思います。

 

大腸カメラは、肛門から内視鏡スコープを挿入し、盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸の観察をする検査です。

大腸内視鏡検査にあたって苦痛を感じやすいポイントは、以下の3点が考えられます。

 

①腸の中にスコープが入ることによって、腸が押されたり引っ張られたりするときに生じる痛み

大腸は全長約150㎝程度(個人差あり)で、管状の臓器です。大腸の中でも上行結腸・下行結腸・直腸はおなかの中で腹壁に固定されていますが、横行結腸・S状結腸に関しては固定されていないため、ある程度ぶらぶらと動くようになっています。

この大腸の中を内視鏡スコープを奥に進めていき、曲がり角を越えようとする際に腸が引っ張られてしまったりすると痛みを感じやすくなります。このため、なるべく腸が引き伸ばされないよう丁寧にスコープを挿入していきます。

しかしながら、腸の長さや形状などに個人差があったり、おなかの手術をされたことがあると腸管が癒着してしまったりしていることがあり、どうしても痛みが出やすいこともあります。このため、検査時に鎮静剤(静脈麻酔)を使うことによってボーっとしたり眠った状態で検査を受けていただくと、苦痛を感じずに検査を終えることができます。

②空気を挿入して腸を膨らますことによって生じるおなかの張り

 腸の中には通常、空気はあまり存在していません。このため、内視鏡スコープを挿入したり腸の粘膜を観察したりするために、空気を腸管内に挿入し膨らませる必要があります。

しかしながら、腸が膨らむことによってお腹の膨満感・不快感の出現につながってしまうのです。

挿入した空気は検査後もしばらくおなかに残ってしまい、不快感が持続してしまうことがあります。このため当院では、空気よりもより速やかに吸収される (炭酸ガス)を用いることによって、おなかの張り感が軽減され、検査中も検査後も苦痛の少ない内視鏡検査を受けていただくことができます。

↑当院で使用する炭酸ガス送気装置

 

③検査前に腸の中をきれいにするために下剤を服用することによる不快感

大腸の観察をするためにはどうしても腸の中をからっぽにする必要があります。このため、「前処置」といって検査前に錠剤の下剤や洗腸剤といわれる液体を服用していただいております。洗腸剤の味が苦手な方や、たくさんの水分を飲むことが苦手な方はこの「前処置」に苦痛を感じやすいことがあります。

当院では2種類の下剤を用意していますので、以前に下剤を飲むのがつらかった、などといった経験がある方は気軽にご相談ください。

また、数日前から便をなるべく多く出すようにしたり、食事内容に気を付けていただくことによって、当日服用する洗腸剤が少なく済むようになりますので、お一人おひとりに合わせて「前処置」の方法をアレンジし、苦痛を最小限に抑えた検査を提供させていただきます。

 

 

大腸内視鏡検査は、以前に比べると内視鏡の機械や挿入法などが進歩しており、検査に伴う苦痛はかなり軽減されております。

当院では検査に伴う苦痛や羞恥心などに十分配慮した環境を心がけております。大腸に少しでも不安がある方は、まず気軽にご相談いただければと思います。

 

ゆみのクリニック渋谷桜丘

小林 亜也子