胃がん

疾患概要

日本人に多く見られるがんで、胃の粘膜に発生します。進行すればするほど粘膜の深い層まで浸潤し、治療が難しくなります。

厚生労働省の調査によると部位別のがん罹患率では男性が3位、女性が5位。男性は約10人に1人が胃がんに罹患しているという計算になります。ただし、死亡率は減少傾向にあります。これは、検診の徹底が寄与していると考えられ、早期に発見できれば完治が見込めるがんであるとも言えます。

原因

胃の粘膜の働きを弱めるピロリ菌感染が大きく関係していることがわかっています。ピロリ菌感染者数が減少傾向にあるため、胃がん罹患者も年々減少傾向にあります。

その他、塩分過多・野菜不足・アルコールや辛いものなど刺激物の摂取過多の食生活、喫煙、ストレスなどが原因といわれています。

症状

早期の胃がんは自覚症状がほとんどありません。進行していくと胃痛や胃の違和感、胸焼け、吐き気、食欲不振、喉がつかえる感覚などがおこりますが、これらは食べ過ぎ・お酒の飲みすぎなどによる胃の不調でも起こりうる症状であるため、日常的なものであると放置されてしまうケースも多いのです。進行すると胃から出血が起こるため、吐血や黒い便が出ることもあります。

診断と治療

上部(胃)内視鏡検査やレントゲン検査(バリウム検査)、腹部エコー検査、CT検査などが行われます。特に内視鏡検査では胃の細かい部分も視認できるため、早期の発見に大きく役立ちます。

内視鏡検査で、がんの可能性がある部位が見つかった場合は、その組織を切り取り(生検)、悪性かどうかを調べる検査(組織診)を行います。早期の胃がんであれば、内視鏡検査で胃がんの切除を行うこともできます。内視鏡検査では対応しきれない場合、外科手術や薬物治療、放射線治療、緩和ケアなどを行います。

国の指針では、50歳以上になると2年に1度の胃がん検診受診が推奨されています。検診をきっかけに早期の胃がんの発見・治療に結びつくケースも多くあります。内視鏡検査は痛い、苦しい、怖いなどの理由から避けられがちですが、がんの発見・治療のためにはとても大切な検査です。当院では苦痛を極力避けるための検査方法が確立されておりますので、ぜひお気軽にご受診ください。

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